スリワリフライス物語(物語風に)

  僕たちはスリワリフライスの兄弟。小さな町工場の小さな横フライスで、小さな部品を作ってました。でももう町工場は立ち行かなくなり、工場は閉鎖。僕たちは引き出しごと、バッタ屋に叩き売りされてしまいました。

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  そのバッタ屋は何とこのまま僕たちをオークションで投げ売りしたのです。横フライスなんてもう余り使われていないので、誰も買わないかな?と思っていたら、仙台のコンさんという人が落札しました。「必ず梱包して送ってくださいね』というコンさんの頼みで数枚づつ新聞紙に包まれて、杜の都へ。

  僕たちを見てコンさん「チェッ」と舌打ちしました。聞く所によればコンさんは希代のおっちょこちょいで、僕たちのシャンク径がφ15.7であることをチェックせず、勝手にφ25.4と思い込んでいたみたいです。それでもコンさんは僕たちを1枚1枚検品しました。真新しいのから使い古したものまで、刃が欠けているもの等分類してくれました。使えない僕たちをどうするのか?どうもコンさんは多くの模型の仲間がいるらしく、その人たちに分けようと言う魂胆のようです。

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  僕たちが活躍したシャンク径15.7の横フライスは、Mさんというコンさんの師匠がお持ちだったようですが、現在はレアでしょうね。あとは縦フライスにシャンクを銜えて、溝入れ加工に使われるのでしょう。あ、すでに石巻に何枚か行くみたいですよ。

  このブログをご覧の皆さんも、僕たちを引き取ってね!